世界の代表的発酵食品の種類と特徴(3) -韓国の食材編-

少し前の「韓流ブーム」で、ここ日本にも韓国料理のお店が増え、韓国食材も一般に手に入りやすくなりました。日本のお隣ともいえる韓国にも発酵食品がたくさんあります。

今回は、私たちになじみがある食材から珍味まで、韓国の発酵食品をまとめました。


スポンサーリンク
スポンサーリンク

1. マッコリ (麹菌・乳酸菌)

韓国、発酵食品、マッコリ

韓国で有名なお酒「マッコリ」の起源は、紀元前1000年以上前に朝鮮の始祖神「タングン」が農民たちに農業を教えた頃からあると言い伝えられています。

昔から農民たちが農作業の合間に飲んで空腹を満たし、疲れを癒したことから、「農酒(ノンジュ)」とも呼ばれています。

「マッコリ」は、米、小麦、ジャガイモなどを蒸してから乾燥させ、“ヌルク”と呼ばれる韓国麹と水を加え発酵させた後に粗く濾したものです。

「マッコリ」の名前の“マッ” は「大ざっぱ」、“コリ”は「濾(こ)す」という意味がある通り、粗く濾した白く濁った色が特徴です。アルコール度数も6~7度と低めでほのかな甘みに発酵による爽やかな酸味が特徴です。

「マッコリ」には、火入れして加熱殺菌をしたものと、火入れをしない「生マッコリ」の2種類があります。日本で販売されているものは長期保存ができるように加熱処理が施されたものが多いのですが、韓国では、一般的に火入れをしない「生マッコリ」が多く、生きたままの乳酸菌が多く含まれているため独特の酸味や発泡感が楽しめます。

「生マッコリ」は賞味期間が1ヶ月以内と短いのも特徴です。

マッコリは、韓国麹と乳酸菌が含まれる発酵食品ですが、乳酸菌の量はヨーグルト以上に多量に含まれているといわれています。

乳酸菌は善玉菌を増やして腸内環境を整え、便秘解消・美肌効果・エイジングケアが得られて女性に嬉しいお酒です。また、韓国ではマッコリは「薬酒」と同質のお酒として扱われ、ビタミンB2、B6やアミノ酸が豊富に含まれ、コレステロール値を下げるなどの健康効果も期待できます。


2. キムチ (乳酸菌)

韓国、発酵食品、キムチ

紀元前の中国の書物にはすでに漬け物の記録があり、それが7世紀頃の百済に伝わったといわれています。いずれにしても朝鮮半島では、厳寒期にも野菜が食べられるように保存食として塩漬けの野菜が作られるようになり、これが現在のキムチの原型だと考えられています。

10世紀から14世紀の高麗の時代には「高麗史」という書物の中に、祭祀のお供え物として「沈菜(チムチェ)」と呼ばれる漬け物が登場し、塩漬けした野菜に、ニンニクやショウガを入れて漬けたものや、大根を丸漬けにして漬け汁ごと食べるものがあったことが分かります。

この「沈菜(チムチェ)」が、年月とともに呼び方が変化して「キムチ」として定着したとされています。この頃のキムチはナスや大根、キュウリなどを主材料に、塩で漬けた白キムチや水分が多い水キムチに、ニンニクや山椒といった香辛料を使用していました。

その後、朝鮮時代の中期になってトウガラシが伝わると、これまで白かったキムチが赤いキムチになり現在のようなスタイルの辛味のあるキムチが主流になりました。

トウガラシは栽培も加工もしやすく、キムチの発酵を促すのに役立つことや、保存性が高まることや味に深みが出ることなどさまざまな利点があることから本格的に広まったのです。その後18世紀後半にはアミエビの塩辛を入れるキムチが出現し、現在主流となっている白菜キムチが一般化したのは19世紀ごろになってからのことです。

ちなみに「キムチとは、塩漬けされた原料に、薬味類を混合し低温で生成を通し発酵した食品である」と定義されています。少なくとも4~5日以上発酵・熟成させたものを指します。

現在では日本でもたくさんのキムチが販売されていますが、浅漬けした白菜に調味料を混ぜただけの、発酵していないものがキムチとして販売されていることがあります。購入する際には発酵したキムチを購入したいですね。

キムチには乳酸菌が発酵するときにビタミン類やミネラルを作り出し、本来野菜には含まれないビタミンB12が含まれるのが特徴です。

また、乳酸菌は酸に弱いという特徴があるのですがキムチに含まれる塩辛に含まれる乳酸菌も加わって酸に強い乳酸菌もたくさん含まれています。さらに、従来のお漬物と比較してもトウガラシの効果で塩を減らすことができ、代謝がアップするため健康効果や美容効果が高いのです。


3. チャンジャ (乳酸菌)

韓国、発酵食品、チャンジャ

チャンジャは、魚の鱈(タラ)の「胃」や「腸」をコチュジャン・トウガラシ・ニンニク・ゴマ油などのキムチ風の薬味で漬け込み醸成させた韓国の塩辛です。韓国では、「チャンラン」とか「チャンランジャ」と呼ばれることもあります。

朝鮮半島では昔からスケソウダラは欠かせない魚で、切り身はもちろん、干したものもありますし、海に面した町では冬になるとスケソウダラの身をそのまま漬け込んだキムチもあります。

北の海を回遊する鱈(タラ)はエビやカニ、貝などをいっぱい食べて栄養化が高くなっています。そんな鱈(タラ)の、ふだんは捨てられる内臓や胃袋を手作業でキレイにして時間をかけてじっくり塩蔵し、「薬念(ヤンニョン)」と呼ばれる薬味に漬けて発酵させたものがチャンジャです。

チャンジャは、手間ひまかけて作られた美味しい珍味というだけでなく、栄養価も高い食品です。発酵・熟成させる過程で豊富なビタミン群が生まれ、代謝の活性化、血液サラサラ効果などの効果が期待できますし、乳酸菌効果によって悪玉菌を増やし、腸内環境を整えて、便秘解消・美肌効果が期待できます。


4. コチュジャン (麹菌・乳酸菌)

韓国、発酵食品、コチュジャン

コチュジャンの起源は断定できませんが18世紀に記された「暦酒方文」という書物に、コチュジャンの作り方が記されています。トウガラシが伝わったのが16世紀~17世紀頃だと考えられるため、18世紀頃にはコチュジャンが作り始められたのではないかと推察されます。

コチュジャンの材料は、炊いたもち米や米、茹でた大豆などの穀物に、“メジュ”と呼ばれる麹菌や粉末トウガラシ、塩を加えて練り、壺に入れて発酵・熟成させて作られます。熟成期間が長くなるほど味がまろやかになり、酸味が加わった独特の風味が出ます。

コチュジャンの味の決め手は“メジュ”で、秋に収穫した大豆を柔らかくなるまで煮てからつぶし、それを四角く固めてワラでできた縄で縛ります。それを数ヶ月間天日干しするとワラについている枯葉菌によって発酵が進み、麹菌が表面を覆うように広がって大豆麹ができあがります。

この麹菌の発酵効果でコチュジャンに香ばしさや独特の甘みが生じるのです。コチジャンは日本でおなじみのビビンバに加えるほか、鍋物や煮物、炒め物、和え物などさまざまな料理に利用され、韓国の食卓では欠かせない調味料です。

コチュジャンの辛み成分であるカプサイシンには、胃の粘液の分泌を促進するはたらきや抗酸化作用があります。さらに、新陳代謝を活発にして脂肪を燃焼させる効果や、毛細血管の血液循環の改善にも効果的です。

しかもコチュジャンには、麹菌のはたらきで豆のタンパク質がアミノ酸に変わることから得られるうま味、デンプンが分解してできる糖類の甘味があるほか乳酸菌のはたらきによってビタミンB2やビタミンC、カロテンなどの健康に良い成分が含まれます。


5. ホンオフェ (エイの消化酵素)

韓国、発酵食品、ホンオフェ

日本の納豆やクサヤなど嫌いな人には受け入れにくい発酵食品がありますが、韓国のホンオフェは世界で2番目に臭いといわれる発酵食品です。

ホンオフェの材料は「ガンギエイ」という魚の切り身で、これを壺に入れて10日ほど発酵させたものです。ガンギエイの皮にある「コブ」の部分には発酵バクテリアが多く、こうして壺に入れておくことによってエイの持つ尿素などが分解されてアンモニアが発生しホンオフェが完成します。

伝統的な作り方では、エイの切り身を入れた瓶をワラや松の葉を発酵させた堆肥の上に置き、その上でエイを2~3日発酵させます。寒い時期なら7日程度と、発酵させればさせるほど身が柔らかくなり美味しくなるそうです。

本場である朝鮮半島南部では、葬儀や結婚式などの冠婚葬祭で振る舞われることが多い高級料理です。そんな高級食品ホンオフェですが、強いアンモニア臭であるためニオイに怖れをなして敬遠する人も少なくありません。

その強い臭気は、長く口の中に入れておくと口内の粘膜がただれてしまうこともあるほどです。このようにニオイは強烈ですが、味はさっぱりしていてコリコリした食感が美味しいといわれています。豚肉やサラダ菜などに包んで食べることもあります。

ホンオフェは、エイに含まれている自己消化酵素によってタンパク質が分解されるアルカリ性の発酵食品ですが、ビタミンB12とビタミンDが豊富に含まれます。ビタミンB12の効果で疲労回復効果が、ビタミンDでカルシウム吸収サポートが期待できます。また、ミネラルの一種であるリンが多く含まれていて代謝を高める効果が得られます。


お隣の国、韓国も発酵大国!

韓国、発酵、キムチ

今回はお隣の国、「韓国」の発酵食品についてまとめました。もはや日本でもなじみ深いキムチはもちろん、コチュジャンやマッコリも発酵食品だったのですね! 

また、知る人ぞ知る発酵食品「ホンオフェ」はエイの刺身を発酵させたものだそうです。世界でも有数のニオイが強烈な食品、もし旅行する機会があれば一度試してみてはいかがですか?

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク